アメリカの雲台メーカーWimberleyより、一脚に装着して簡易ジンバル雲台として使用できる雲台のご紹介です。

超望遠レンズを一脚で運用する際、特に仰角や俯角を大きく取るためには雲台の使用が不可欠となりますが、この雲台の使用によりどの方向にも抵抗なく角度変更が可能となります。
光軸や重心は一脚の軸から右または左方向にオフセットする形となりますので、感覚的にはパンニングや水平の維持など取り扱いに癖があるように感じてしまう方もいらっしゃるかと思います。しかし実際に使用してみると操作感は実に自然で、意識しなくても自動的に手が補正してくれますので全く問題ありません。
また短距離の移動時などは機材を一脚ごと肩に担ぐことは現場ではよくあることですが、このオフセットしている構造のおかげでカメラとレンズの重量を両肩と首に分散させることができます。他の雲台でよくある一脚が肩に食い込んでしまうような担ぎ方とは大きく異なる点です。
登場以来各方面で話題を集め、すぐ某中国メーカーに丸々コピーされたといういわくつきの雲台ですが、これがオリジナルです。

構造的にはサイドマウント式のジンバル雲台となり、パンニング方向には一脚ごと回転させる形となります。機材をセットして前後の重心バランスを合わせると雲台をロックする必要はなく指一本の力でティルトアングルを変えながら、狙った位置でピタッと静止させることが可能です。野鳥やモータースポーツ、アルペンスキーなど動きの速い被写体を追従する際には特に威力を発揮する雲台です。もちろんティルトノブを締め込み被写体をロックオンした撮影も可能です。
耐荷重は45kgと市販されている超望遠レンズまでのほぼ全てをクリアし、ステンレス製のティルトシャフトを高精度のラジアルローラーベアリングが受ける構造となっています。もちろん内部構造は全てカバーされていますので定期的なメンテナンスは必要ありませんが、水没させたりひどい砂噛みが発生した際にはユーザーメンテナンスもできる設計です。
徒歩での移動距離が長かったりロケ時の荷物に制限がある場合など、三脚ではなく手持ち撮影の補助的に一脚を使用される方も多いと思いますが、非常にコンパクトで軽量なこの雲台をプラスするだけで使い勝手が飛躍的に向上します。

<クランプ部>

アルミ合金製のノブ式クランプは万力のようにがっちりとプレートを挟み込み、ズレやガタとは無縁です。ノブを 1/4回転させるだけでスライド可能、2回転と30度ほどで完全にクランプが開き、機材の交換もスムーズです。ノブ式はロック/アンロックの手ごたえがわか りやすく、スライド時にはプレートのセーフティスクリューが機能しますので、不注意による脱落事故の確率も低くなります。

このクランプはKIRKプレートはもちろん、アルカスイス・ウィンバリー・リアリーライトスタッフなど、全ての「アルカスイス・スタイル」プレートをホールド可能です。