KIRK Enterprise Solutions(KES)により、マクロ撮影のために新たに開発されたフォーカシング・レールです。

三脚を動かすことなく、クランプ側で機材位置の微調整ができるというのもアルカスタイルの利点ですが、その操作をギア駆動でさらに簡単に、確実に、精密に、スムーズに行えるレールです。

マクロ撮影では大まかに構図を決めてから「もうちょっと引きたい」もしくは「もうちょっと寄りたい」という場面が多いものです。また最短撮影距離付近での撮影でもカメラを前後させて位置を微調整する必要に迫られることも多いでしょう。また左右移動のスライダーとしても機材設置位置の自由度が飛躍的に高まるレールです。

調整範囲は約110mmで、ギア駆動でなめらかに微細な調整を行うことができます。クランプベースに設置された粗動ノブを回転させるとギアの噛み合わせがフリーになり一気にクランプを移動させることが可能で、その後両端のノブで位置を微調整するというスタイルです。レール部分もクイックリリースクランプで固定しておけば自由度はさらに上がります。

もちろん通常の三脚ネジでの固定もできるよう1/4-20inネジ穴が2カ所に設置され、中央にはMAGPUL社のQD(Quick Disconnect)システムに対応するQDソケットが設けられています。ワンタッチでMAGPUL製スリング等の着脱が可能ですがもちろんKIRKの設計に妥協はなく、アルミ合金をただ切削しただけでは金属同士の耐摩耗性に劣るためステンレス製の別パーツを圧入するという徹底ぶりです。もとは自動小銃などを肩から吊り下げ、同時に保持しながら射撃するためのミルスペックのスリングシステムですので信頼性は抜群です。QDシステムにつきましてはこちらのページで詳しくご案内しています。

クランプ部は開閉ノブをわずかに緩めるだけでプレートのスライドが可能となり、KIRKが特許を取得した特殊なネジでノブを駆動することにより、機材をセットして180°回転させるだけで固定完了です。そこから逆方向に180°回せばクランプが完全に開き、上から機材を取り外すことが可能です。ノブを握り直す必要すらなく、まさにワンアクションで機材交換や縦構図への変更が可能となりました。また六角レンチでネジを緩めることにより90度ずつ回転させることができ、カメラボディでも三脚座でも固定することができます。クランプ裏には正方形の突起が設けられ、レール部の同形の凹みと噛み合っていますのでクランプだけが回転してしまう恐れもありません。

さらには2台のFR-3を組み合わせて使用することにより、前後と左右をそれぞれギア駆動にて正確に移動させることも可能です。また専用デザインのOP/TECHネオプレン製ケースも付属しています。

レール裏の両端にはセーフティスクリュー Ver.2(新タイプ)を取り付けることができます。クイックリリースクランプ固定の場合はノブ緩めてレール全体をスライドさせることができますが、セーフティスクリューが装着されていればスライドの限界でネジ頭がクランプに当たります。そのままクランプからレールが抜けてしまうことを物理的に防止しますので、思わぬ脱落事故から機材を守ってくれます。

機材の落下による損傷を絶対に避けなければならないプロカメラマンのために、安全に関わる部分にはあえて可動式などのギミックを採用せず、ネジを装着するというアナログな手法により確実性を重視しています。もちろん必要がなければ取り付けをせず、スライドさせて機材を着脱することも可能です。