HUSKY・KES(KIRK Enterprise Solutions)・Markins・Arca-Swiss・Wimberley正規プロショップ スタジオJin 

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現在カゴの内に商品はございません。

これは過去の特集記事です。2022年5月よりHUSKY三脚の製造販売は完全にスタジオJinに移譲されています。

HUSKYを育て続ける

ちょっと雑学とトヨ商事とは?

ちょこっと日本の三脚史とトヨ商事

HUSKY三脚はアメリカのクイックセット社(1933年創業)が、飛行機の機体内部で電線を引き回すために使われていたアルミパイプを利用して作ったのが始まりといわれています。航空機用軽金属使用などと書かれた商品は他にも存在しますが、元は本当に航空機の部品を使って作られていたんですね。

第二次大戦後にアメリカ軍が日本に持ち込んだHUSKYを手本に、白石尚稔氏が写真用三脚の試作品を1948年に完成させたのが現在のSLIKの始まりだそうです(スリック史より)。SLIKといえば三脚の伝道師と呼ばれ後に副社長まで務められた森泰生氏も有名ですが、退職後にお話を伺うとやはりHUSKYの品質の高さを第一に挙げられていました。

日本のもう一つの三脚メーカーとしてベルボンは1955年に創業し、国内販売は1969年から、本格的なプロ用三脚としてMark 7が誕生したのは1987年のことだそうです(こちらもスリック史より)。

トヨ商事の先代社長である小竹正雄氏はスポーツ用品の美津濃(ミヅノ)創業者の家に生まれ、戦前はライカの販売など、戦中は大津の特攻隊で水上機のパイロットをされていたそうです。戦後は新聞社向けにスピグラの販売や修理などを手掛けながら、1958年にあの「トヨビュー」を誕生させました。製造は現在のサカイマシンツールなのでご存じない方も多いかもしれませんが、トヨ商事の「トヨ」はトヨビューの「トヨ」でもあります。

昭和38年(1963年)にアメリカ大使館にて米国製品展示会(アメリカ商務省主催)が開催され、その際にクイックセット社と代理店契約をしたことでHUSKYは日本正式デビューとなりました。当時の貴重な写真をお借りできましたので、きちんとデジタル化して後世に残したいと思います。

当時の商品画像。透明な円筒形のケースは時代を感じます。

店頭ディスプレイ用のスタンドはいまでも現役で使えそうですね。当店にも欲しいです。

一脚のパッケージイラストのモデルは右上の女性のようです。

育て続けるメーカー

以前の特集「HUSKYの真実」の繰り返しとなってしまいますが、それ以来2008年までの45年間にわたってトヨ商事はクイックセット社がアメリカで製造したHUSKYを輸入販売してきました。ただし完全なアメリカ製とは言えないかもしれません。トヨ商事は日本に入ってきた段階で全ての製品をチェックし、精度の出ていない部品は加工し直し、ネジ山を切り直し、組み立て直し「よりよい」製品として世に送り出すという姿勢を貫きました。日本限定のいわばトヨ扱いハスキーです。一部ではアメリカから直接仕入れた並行品を販売していた業者もいましたが、商標権はトヨ商事が持っていましたのででQuickSetやHUSKYというネームプレートは取り外されていました。もちろん正規品と並行品の差は歴然で、いまだにHUSKYにはニセモノが存在すると思っている方もいらっしゃるようです。本国製のいわゆる「本物(でも並行品)」の出来がイマイチ(クイックセット社の社長が代替わりしてから品質が落ちたという話もあります)で、トヨ扱いハスキー(こちらが正規品)の品質の方が高かったという逆転現象が起こっていたんですね。それゆえかクイックセット社での生産が終わってからアメリカ本国をはじめヨーロッパでも、現在HUSKYユーザーは少ないようです。日本以外ではトヨ商事が鍛えたHUSKYは販売されていませんでしたから・・・。

その後すでに10年以上、トヨ商事はメーカーとして純国産のHUSKYを製造販売しています。材質の選定から加工精度にこだわるのはもちろんのこと、脚パイプは国内の超大手といわれる金属加工メーカーが直接生産し、ネジ1本に至るまで全て日本製部品のみを使用して、国内工場で組み立てられるという完全なMade in Japan品質で生産されています。三脚に限らず他の分野の工業製品まで視野を広げても、ここまで日本製にこだわって生産されている製品は少ないかもしれません。したがって現在の品質はアメリカ製再加工の時代よりもさらに一段上のレベルにあるといえます。当店でHUSKY製品の販売を始めてからもちょうど10年目になりますが、他社製品と比較しても初期不良や自然故障の件数が極端に少ないというのが販売店としての偽らざる実感です。

それはトヨ商事がハスキー・J・クイックサービス社としてアフターサービスも同時に行っていることも大きく、実際に現社長の小竹正太郎氏が直接作業しています。修理やオーバーホールに入ってきた三脚の状態から、ネジ山の減りが大きいようなら材質を見直したり、メッキの強度が足りなければ方法や厚みを変更したり、細かなネジの長さや太さを再検討したりと常にリアルタイムに進化させ続けることができるのはこのサービス体制によってのみ成り立ちます。これが本来の意味でのフィードバックで、アフターサービスを専門業者に丸投げしているメーカーとは明らかな差が生じます。

このようにHUSKYはその基本形を変えずに、トヨ商事の手によって50年以上成長し続けてきました。これがアメリカ生まれで日本育ちと言われる所以です。そしてこの圧倒的な信頼感は唯一無二のものと言えます。

(2019年9月)

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